神仙桃娘 第9話「寄る辺に」

『神仙桃娘 宮廷の贄』
第9話「寄る辺に」全44P(巻中カラー/2P)
ASUKA 2026年5月号(2026年3月24日発売)掲載
窮地の扎熱の元に駆け付けたのは――?
我ながらロマンス漫画とは思えぬ勢いのアクション満載の回ですが、扎熱と一緒にドキドキしていただけましたら嬉しいです! もちろんロマンチックなシーンもございますぞい。
今回は巻中カラーでの掲載です。ありがたいですね。
第1巻の背表紙イラストが収録話のカラー扉絵からの切り抜きだったので、第2巻でもそうしたいなと思い、今回の扉絵は背表紙にしやすい顔の近い構図を意識しました。
なお、扉絵と本編の2ページがカラーなのですが、単行本にはどちらもモノクロ収録となります。カラーで全てご覧になりたい方は是非 ASUKA 2026年5月号をチェックしてくださいね。
ちなみにカラー扉絵の作業時間は27時間32分でした(休憩はカウントせず実際に手を動かしていた時間) 最近人気のハードレイヤー塗りで陰影をつけてみましたが、かなり時短になるし手数も減らせるし便利な塗り方でした! こうやって画法の手札が増えるのは嬉しいです。
第2巻も発売となりました。
早くもご購入報告やご感想を頂戴しており、とても嬉しいです!
みなさま是非、作品レビュー/星評価/ご自身のSNSで「買ったよ~」など一言からお気軽に話題にするなどしていただけますと、作品の認知度が上がり読者さんが増え連載が長続きするきっかけとなりますので、何卒よろしくお願いいたします!
(あとシンプルに私が嬉しい)
白太子の大立ち回り
若干内容に触れてしまいますが、第9話の見どころは子晶(白太子)のパルティアンショット。パルティアンショットとは古代から遊牧民の兵が使った射法で、逃走と攻撃を同時にできるのが強みです。最近だと『逃げ上手の若君』でも描かれていたようです。
YouTubeなどで実際にやっている動画を見ると、とんでもない体幹の強さに驚嘆します。ぎっくり腰の常連である私は、なんて恐ろしい体勢と動きなんだと震えながら描きました。子晶(白太子)って体幹が強くてしなやかんだなあと感心しちゃいますね……。とんだ白馬の皇子さまだぜ。
その他、第8・9話は描き慣れない動物をたくさん描いたので大変でしたが、そのぶん描きごたえがあり楽しかったです。特に馬はファンタジー漫画で描く機会の多い動物ですし、もっと上手くなりたいですね。動きはもちろん、馬ごとの性格や表情をしっかり表現できるように。
参考にした本はこちらの2冊です。
動きに関しては競馬や馬術の写真・動画を参考にしました。
蛍の夜
第9話のラストでは蛍が飛び交っています。
短い一生の中で求愛の光を放つロマンチックな蛍に絡めたシーンは、前々から描きたいと思っていました。しかしお話を進めなければならない都合上、このタイミングで秋の狩りを描くことになり、「ああもう夏を終わらせちゃったよ~、蛍描けないよ~、こうなったら夏にこういう出来事もあったよね的な回想でどこかに捻じ込むしかないよ~」と嘆きのやけくそ気分であれこれ調べておりましたら、なんと蛍は日本と中国で扱いが異なり、日本では夏のイメージですが中国古典においては晩夏~初秋の景物らしいことがわかったのです! なんということでしょう。ぴったり過ぎる。まさに天の助け。
ということで、第9話/第2巻の締めは蛍の夜です。
大好きな鬼束ちひろさんの『蛍』を聴きながら描きました。
寂しく儚く美しい曲です。歌詞も神仙桃娘にマッチするので、是非聴いてみてください。