神仙桃娘 第8話「狩場の風」

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『神仙桃娘 宮廷の贄』 第8話 扉(タイトルが随分ノドの方にあるな!?)

『神仙桃娘 宮廷の贄』
第8話「狩場の風」全48P
ASUKA 2026年3月号(2026年1月23日発売)に掲載

狩りに随行する桃娘たち。
思慕と不安に揺れる扎熱と
それに違和感を覚える子晶(白太子)は、
唇を交わしながらも互いを遠く感じていた。

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うさちゃん好きの人にごめんなさいと思いながら描いたページ。わんこの股間も見て欲しい。

今回は宮廷の外、御狩場が舞台です。
作中で詳しくは触れていませんが、この御狩場は宮廷からさほど遠いわけでなく、庶民なら頑張って日帰りするけれど子晶たちは1日目の午後に前日入りして一泊、2日目に朝から狩りをして終わったらまた一泊、3日目の午前に帰る、みたいなシチュエーションで作中は2日目。
馬車の大群がずんどこ移動している様子も描けたら絵的によかっただろうなあ。でも馬車でのおでかけなら今後またお見せする機会があると思う…ので、そのときにお届けできればと思います!

打ち合わせの時点でこの狩りの回は40ページ以内にまとめましょうと言われていたのですが、内容もページも倍以上に膨れ上がってしまい、その前半が第8話となっております。この私の膨張傾向はどうにかしないといけない…が、扎熱をどう表現したいか、読者にどう受け止めてもらいたいかを考えて打ち合せでの初期プロットから改良した結果なので、内容はより良くなっているはずです!
いつもと違った場所で、扎熱と子晶は何を感じ、何を経験するのか。
互いに相手を想いながらも交わり切らぬふたりの様子をお楽しみいただけると嬉しいです。

そして今回は登場キャラが多く、なんと後宮のママンたちも(ちょっと)出るよ~! 美魔女的な中年女性を描くの楽しい。彼女たちは十代で嫁ぎ子を産んでいるので、作中で40歳前後です。

玄太子妃 武穣雨も唯一女性で騎乗。ネックレスはつけているものの、男装です。可愛くて気に入っています。服飾のモデルにした唐の時代には実際こうして胡服で男装することが女性の間でブームだったらしく、玄太子妃は実際他の太子妃よりお洒落への自主的な関心が高い女子なのです(この作中世界で流行っているかどうかはわかりませんが)

 

動物いっぱい描いた!

狩りをする回なので、馬や犬など動物をいろいろ描きました。難しいですが人間より描くの楽しいかも。
動物を描くときはまず骨格を調べるのですが、人間と比較しながら捉えると、動物・人間両方の骨格の理解が深まる気がします。動物をしっかり描ける作家さんたちを心底尊敬。私は描くだけで精一杯……。調べても絵に反映できていないところがいっぱいあります(それは人間キャラを描くの時も同じなのですが)

ちなみに冒頭に出てくる猟犬は重慶犬がモデルです。今回調べていて初めて知った犬種なのですが、ボクサー系かと思いきやそちらと血統は全然繋がっていないそうでびっくり。
こういった顔がぺちゃんこ系の犬を描くのは初めてで、特にマズル(口元)あたりが難しかったのですが、強面ながらよく見るとなかなか愛嬌があって可愛くて気に入りました。
特徴的な顔・体つきの犬はそのせいで病気や障害を負いやすいですが、この重慶犬は丈夫でかかりやすい病気もないそうで、その点もよかったなあと思いました。

玄武宮の星極(シンジー)もたくさん登場しています。今回いろんな表情をしていて可愛いので是非ご注目ください。ちなみに星極は私のオリジナル動物で、イタチと猿をミックスさせたような存在です。

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扎熱にくっつく星極(シンジー)

 

全体的な絵の話

前回の第7話は絵が濃過ぎたような気がしたので、今回は引き算することを意識してみたのですが、逆に線が細過ぎて(且つそれで強弱がつくペンをメインに使ったから)ラフな印象の仕上がりになってしまった…ような気がする……。
でも細い線で描くとあまり筆圧を込めなくてよいので手首には優しいです。

それでも毎日15時間前後は作画しているので、〆切前の数日は寝ても覚めても手が痺れた状態になります。これを改善するため液タブのペンの筆圧設定を改良したいな~と思いつつ、そこら辺のベストは体調次第で日々変わってしまうので、自分の調子を把握することがまずは大事なのだと思う。

それと、モニターで見る原稿と印刷された原稿がだいぶ違って見えるので毎度頭を抱えます。あんなに頑張って描いたのに「この程度なのか」と。何故こんなにも違って見えるのか……!

可能性① モニターと肉眼の解像度に差があり過ぎるのでデジタル作画はもっと丁寧に描かないと自分で思っているより荒い仕上がりで印刷されていまう(解決策:常に大きく表示して精密に描く)

可能性② 作画の前段階のネームが苦手過ぎて、作画に入る頃には既に疲労しており絵に対する認識能力が低下した状態で描いて納品するから(解決策:ネームを速く描けるようになる)

…両方な気がするな~。

読者さんたちにお見せしたいと思っている扎熱や子晶の様子や世界を思ったように表現しきれていない自分の画力が歯痒い。脳内ではもっともっといい感じなんだよ……!
でも絵を褒めていただけることは多いので、客観的には自分で思っているより悪くないしむしろ頑張りは反映されているのだと思う。でも、もっともっといい感じに描けるようになりたいな…と思う日々です。

ちょうどX(旧Twitter)で絵描きの劣等感と創作動機が話題になっていますが、私は描いたものを他者に評価してもらえる気持ちよさと、思ったように描けない苦しさや劣等感が同時に胸の中に存在してこそ絵描きは成長しながら描き続けるものなのだろうと思っています。

劣等感が湧くたびに、画狂老人卍(天才・葛飾北斎の晩年のいかしたペンネーム!)ですら「俺は猫1匹すらまともに描けない!」と泣いたという逸話を思い出し、なら凡人の私が今満足できる絵を描けないのは当然だし次描いたら今より上手くなる、その事実に集中して続けていくことが一番大事なのだと考えるようにしています。他者からの評価はあとからついてくるものだから、その前段階で心を折ってはお話にならないのです。
読者さんたちからいただいくファンレターやメッセージは、その孤独な踏ん張りへのフィードバックで心底ありがたいです! 自分が描いたものにちゃんと価値があったのだ、価値を見出してくれる方々がいるんだ! と慰められる。SNSでいただくご反応も同様です(イイネやRPされるとホーム見に行ったりするからわりと把握しているよ…へへ……)

 

コミックス情報

『神仙桃娘 宮廷の贄』第2巻は3月24日発売予定です!
次号掲載予定の第9話までが収録されます。

そう、つまり第9話が掲載/収録される雑誌と単行本の発売が同時なんですよ。
いつも〆切に間に合わせるため荒れたり乱れたりした絵をめちゃくちゃ修正するのですが、今回果たしてどこまで手を入れられるか……! 春まで修羅のスケジュールだ……。

いろいろ片付いたら、溜め込んでいるファンレターのお返事を書いてお出ししたいです。

それと末文にて恐縮ですが、11月には私が不調のため仕事をスケジュール通りに進められず、掲載をお休みさせていただきました。いつも楽しみにしていてくださる皆さまには長くお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
今回の最新話を楽しく読んでいただけましたら、何よりと思います!