神仙桃娘 第6話「熱秘めて」

『神仙桃娘 宮廷の贄』
第6話「熱秘めて」全32P
ASUKA 2025年5月号(2025年3月24日発売)に掲載
主人公の扎熱(ザラ)は熱でダウン。
今回は白太子・子晶(ズーヂン)視点の回です。
扎熱の過去に触れたことで、子晶の態度や視線にほのかな変化が……?
グイグイいったり、いかなかったり。徐々に熱を帯び艶っぽくなっていく、だけど初々しく不器用なふたりの関係を是非ご堪能ください。扎熱の色っぽいカットが多め。


四太子による碁の対局
今回は四太子が碁の対局をします。
碁の歴史は古く、中国の春秋時代(2500年ほど昔)からあるそうです。『神仙桃娘』は架空の中華風世界ですが、服飾面を中心に隋・唐・五代十国あたりをなんとなくのモチーフにしており、ざっくり考えて春秋より1000年ほど後・現代より1500年前の文明程度ということになります。
古代の碁は現代とはルールが異なったそうなので、『神仙桃娘~』の世界における碁もそうなのかもしれません。
なので、もし読者の中に碁打ちがいて「この盤面おかしくね? 棋力高い人間はこうは打たなくね?」と思っても、どうか大目に見てやってください。それが通用する別世界の碁ってことで!
そもそも四人碁というイレギュラーなことをさせているので参考にできる棋譜がなく、棋力がアマチュア初段以下の私なりに盤面を作った次第です。入り組んでくると私では手に負えないので序盤までですが……。
もっとも読者の大半は碁を知らないと思いますし、台詞やモノローグを読んで戦況を理解するのってだるいと思うので(私はだるいよ! バトル漫画の解説とか子供の頃から苦手でほとんど読み飛ばしているよ!)、絵を眺めるだけでなんとなくの戦況がわかるように四聖獣でイメージ表現しておきました。なので「碁はとっつきづらいな~」という方にもお気軽にお楽しみいただけると思います。眺めておけばなんとかなります。それが絵で表現する漫画のいいところ!
ちなみにやろうと思えば四人碁は実際にできるようなので、碁石を4色用意できる方は是非挑戦してみてください。だいぶ難易度高そうですが。
ところで漫画で碁といえば名作『ヒカルの碁』ですね。
今回のネームを描いていたら「なんかこれってヒカ碁じゃない!?(ヒカ碁ではないが)」と思ったので参考がてら見直したところ、碁という静的な題材であそこまで面白い物語を創られたほったゆみ先生と、それを見事な画力で描き上げた小畑健先生に恐れおののくほかはなかった。面白過ぎる。超名作。碁について何もわからなくても面白い囲碁漫画ってすごいです。尊敬。

漫画には関係のない余談
ASUKAの作者コメントにも書きましたが、父に碁で連勝すれば欲しいものを買ってもらえる子供時代を過ごしました。棋力に応じてハンデの置き石はOK。私と弟が同日にそれぞれ1勝ずつしてそれを連勝とカウントしてもOK。ただし父は地元の囲碁大会で毎度優勝するような人なので、毎度コテンパンに負かされた記憶があります。
私は3歳くらいから仕込まれましたが勝負事が性に合わず、先読みも苦手なため全く上達しませんでした。小中学生の頃は週末に碁会所へ連れて行かれたりしていましたが、絵を描く方がやはり好きでしたので……。ただ弟は私より強かったので成果を出し、ときどき文字通り戦利品としてゲームを買ってもらっていました。
いずれ『神仙桃娘~』で碁を打たせることは考えていたので、少し前から囲碁アプリをダウンロードして打ったりしていたのですが、そちらでも全然勝てず。元から弱いのに、更に弱くなったような気がします。
しかし碁を全く知らなかったら、今回こうしてちょっと漫画に描くだけでも初歩の初歩から調べなきゃいけなかったと思うので、少し経験しておけたのはよかったなあと思います。
第6話の作画時間
1ページあたり平均8.8時間(32ページトータルでは282時間)
扉絵 – 見開きもどきで16時間17分(碁石の虎柄素材の作成にかかった時間は除く)
最長 – P.26 – 12時間44分(扎熱のサービスシーン。美しく描かねばと気合が入った)
最短 – P.30 – 4時間50分(1枚絵のわりに短時間。デッサン狂いは単行本作業時に直さねば…)
いつも1ページあたり平均10時間なので、1時間ほど短縮されています。
短縮理由はふたつ。
- キャラを描く際に比率のガイドラインを細かく入れるのですが、それをやや簡略化したから。〆切が迫っていたのでいちいち描いていられなかった……。
- 今後も登場する舞台のストック背景素材を描く必要がなかったから。作った素材といえば碁石の虎柄くらいです(中華系の文様図鑑をたくさん購入し、いくつか見付けた虎柄を参考に描きました)
今回は全32ページなので前回に比べるとだいぶスケジュールに余裕がありそうなものですが、全然ありませんでした。
何故なら…単行本作業2冊分と並行だから…しかもまだ終わってなくてむしろこれからが修羅場かも……(まあそれがなくても普段から時間をめいっぱい使って描いちゃうので余裕のある生活なんて出来ないんですけども……)
単行本発売のお知らせ

同時に2冊出るぞい!
『神仙桃娘 宮廷の贄』第1巻 2025年5月23日発売予定
第1~5話が収録されます。
ありがたいことに、第1話にて贅沢に描かせていただいたカラーページも全て収録していただけるそうです(第2話のカラーページに関してはモノクロ収録です)
『ハデスさまの春めく蜜月』2025年5月23日発売予定
こちらは短篇集。『ハデスさまの無慈悲な婚姻』全3巻に未収録だった漫画が全て収録されます。連載開始前の予告篇、湯けむり短篇、店舗特典だったタナトス&ヒュプノスのショート漫画、他誌である青騎士への出張掲載用に描いた4コマ漫画などなど。当時リアルタイムで追ってくださった方々ありがとうございます。需要があると見込んでもらえたおかげで、こうして未収録だった原稿が外伝として単行本化していただけることになりました!
もちろん皆さまが見たかったであろう、ハデスさま&ペルセポネの新婚生活♡描きおろし漫画もございます!!
またハデスさまシリーズの他にも、これまでASUKAで描かせていただいた多種多様なショート漫画も収録されます。連載開始前に描いた、ハデスさまのプロトタイプ的な位置づけでもあるギリシャ神話・ローマ神話のショート漫画も含みます。
お菓子のアソートパックのように様々な味をお楽しみいただける1冊になるはず…です!
どちらもお楽しみに!
購入店舗特典などのお知らせも後日お知らせいたします。
しかし2冊同時発売ってことは単行本作業が通常の2倍ってことです。果たして間に合うのかな!?!? 祈っていて!!!!!