神仙桃娘 第7話「生餌」(後編)

『神仙桃娘』第7話「生餌(後編)」 扉絵代わりの冒頭。モブおじさん描くの楽しい。

『神仙桃娘 宮廷の贄』
第7話「生餌(後編)」全48P
ASUKA 2025年11月号(2025年9月24日発売)に掲載

体を、熱を、寄せ合うふたり。
だが扎熱の胸には不安の波紋が残っていて――?

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第1ページ目では子晶(白太子)が身体測定真っ最中! 健康状態を確認したり、次の季節に向けた御召し物を作るに役立てるのでしょう。
特に意図はしていなかったのですが、作画段階になって「あ、髪おろさなきゃ身長測れないじゃん!」と気付いたので、急きょこのようにお風呂上りのようなラフスタイルでの測定となりました。子晶は測定前に朝から湯浴みをして、小ざっぱりした気分で意気揚々と測定に挑んでいます。ちょうど少し前に「おろし髪の子晶が見たい」と読者さんから伺っていたのですが、偶然にも早々にお応えできました。嬉しいです。

これに合わせて、ASUKA目次の作者コメントには扎熱と子晶(白太子)の身長を載せました。読者さまの予想と比べてどうでしょう。大きいでしょうか、小さいでしょうか。
原画展で公開した第1話ネームにもちょろっと載せていましたが、ふたりはキスしやすいといわれる15cmの身長差。はじめは扎熱をもっと高く、子晶をもっと低くすることも考えたのですが、あまり差がありすぎるとキスしづらそうですし、何よりアップのとき同じコマに頭が収まらないと描くのが大変なのでこのバランスにしました。ちょうどいいです。何がちょうどいいかって、本編を読んでいただければおわかりになると思います。ちょうどいい、本当にちょうどいいなあ。

画像
木漏れ日の中を歩くふたり

この後編は官能的なシーンが多めなので、公開するのはちょっとドキドキです。ラブシーンを描いた経験がほぼ無いので(前作のハデスさま程度…)、肌の表現、吐息ひとつ、どのように表現するか探り探り。でも元から女性の体の造形美が好きなので描き甲斐を感じます。みんなの体型差をもっと多様に表現したいのだけれど角度や構図によって本当に難しいですね。描けば描くほど自分が人体を何も知らないと思い知るぜ。
まあ、テーマがテーマなので、官能的であればあるほど酷な面もあるのですが……。

なおこれも過去の作者コメントで語りましたが、作中キャラの年齢は数え年でのカウントなので0歳が1歳。つまり作中で15歳の子晶は、現代日本なら14歳の中学2年生に相当します。
一方、扎熱はというと、現時点では作中で明記していないので具体的な年齢は伏せますが、大学生くらいです。おそらくもう少し上と思っていた読者さんが多いのではないでしょうか。扎熱は都から遠い地域の出身な上に長身でグラマーなこともあり、都基準だとやや年上に見える容貌です。とはいえ内面がポヤッとして幼いところがありますし、精神的には子晶の方が大人かも。

年齢や逆身長差による外見的印象と内面的印象のちぐはぐさが可愛いこのふたりですが、ご感想など拝見していると読者さんにもそれが伝わっているようで嬉しいです。恋愛漫画は相手キャラに人気が集まるものなので子晶が人気なのは想定通りですが、扎熱のこともしっかり可愛いと言っていただける機会があるのが本当に嬉しい。外見は艶やかな大人の美女に成長してしまったけれど中身ちいかわなので……。みなさんに扎熱の可愛さを認めてもらえて嬉しい……。

「可愛い」と「可哀想」は語源が同じらしく、同情や憐みの心から生まれる感覚だそうです。扎熱を描くとき、いつもそれが頭に浮かびます。繊細さや臆病さに同情・共感できる人にとっては可愛く愛おしいけれど、そうでない人にとっては苛立たしい。第7話は周囲に嬲られがちな扎熱がそんな自分自身と向き合わされる回でもありました。桃娘としての己の境遇や、子晶(白太子)との関係に扎熱自身ががどう向き合っていくのか、引き続き見守っていただけますと幸いです。

時間的に断念した扉絵ラフ。第7話より前、夏のある日の戯れ。子晶との楽しい時間。

私のネーム作業が遅いばかりに三分割での発表になってしまったこの第7話「生餌」は、合計74ページとまあまあのボリュームでした。およそ2話分。それなら最初から2分割で構成すればよかったんじゃないかと若干思うのですが、「桃娘」にスポットを当てた回として、ひとつにまとめたかったんですよね。発表は一度にまとめられませんでしたが。方々に対してごめんなさい。

 

第7話(後編)の作画時間

1ページあたりの平均時間…の算出は一時休止。毎度9~10時間で代り映えしませんし、急いだところでもはや頭打ちとわかってきたので。今回はとりあえず部分的な記録のみ公開。

扉絵 – 13時間41分(正確には1ページ目。作画エンジンが暖まっておらず時間がかかる)
最長 – P.22 – 14時間10分(絶不調でデッサンが狂いまくり。修正地獄に陥りました)
最短 – P.42 – 3時間46分(タイムリミットが迫っていた。ただただそれに尽きます)

念のため言っておくと、私はいつも急いで描かざるを得ない状況に陥ってしまい作画開始時点で最初からクライマックス状態なだけであって、本当は1ページ12時間以上かけて描くのが理想です。ネームを早く描けるようにならなきゃ実現できませんが。

単行本収録時には修正加筆しまくるつもりですが、修正時間は果たしてどれだけあるのか。もう既に年明けまでのスケジュールがやばいことは確定しているのですが、年賀イラストも描きたいし他の関係ない絵も隙あらば描きたい。えらいこっちゃだぜ。
原稿共々、頑張って生きます。ばいちゃ。