神仙桃娘 第7話「生餌」(中編)

『神仙桃娘 宮廷の贄』 第7話「生餌(中編)」扉絵

『神仙桃娘 宮廷の贄』
第7話「生餌(中編)」全14P
ASUKA 2025年9月号(2025年7月24日発売)に掲載

静かな廟に響く、4人の桃娘の声。
新顔の青桃娘・春燕によって信じるものを否定された扎熱は――?

「桃娘」をテーマに据えた作品らしく、ややダークな内容です。
第1話 扉絵の煽り文「生餌と太子、禁断の恋の物語…」は担当さんが考えてくださったものなのですが、『神仙桃娘 宮廷の贄』という作品タイトルと共に、扎熱と子晶の立場の違いや不穏さが滲み出る展開となって参りました。

『神仙桃娘 宮廷の贄』第1話 扉絵(雑誌掲載字のデザイン入り)

そして前回に引き続きページ数が少なめの掲載です。心苦しいですが、ご容赦いただければと思います。本当は第7話ラストまで一気に描くつもりだったのですが、スタミナ切れにより最後まで辿り着くことができませんでした。面目ない。次号はしっかり描きますので、引き続きご愛読いただければ幸いです! 子晶をいっぱい描くからな!!!

ふたりの夜

 

桃娘の都市伝説

ところで読者の皆さまは、「桃娘」の都市伝説を元からご存知でしたか?

(以下、都市伝説の説明。知らずに漫画を楽しみたい人は読まないでくださいね)

「桃娘」とは中国舞台の都市伝説。神聖な果実とされる桃だけを与えられ育てられ、体臭や体液が桃のように甘くなった少女たちが、その血肉を不老長寿の妙薬と信じて求める富裕層に買われ搾取されていた――というものです。桃のみで育った桃娘は体が弱く、性行為を求められれば衝撃に耐えられず命を落としたとか。桃娘は死ぬまで、あるいは死してなお、文字通り「全て」搾取されたのでした。哀れで酷な都市伝説です。
※中国を舞台としますが日本発祥の都市伝説だそうです。
※私の作品はこれをアレンジして、設定の異なる桃娘を描いております。

「色気のある中華モノを描かないか」と編集部からお誘いいただいた当初、何をどう描くべきか相当迷ったのですが、自分が確実に関心のあるテーマとテイストでいこうと考えてパッと頭に浮かんだのがこの都市伝説「桃娘」でした。
『神仙桃娘 宮廷の贄』は物語に一定の暗さやカニバリズム要素を含むため、これを苦手とする読者さんたちが早期に撤退できるよう、連載初回の1・2話や、単行本第1巻のラストで不穏さを示しておきました。今回発表の第7話を読んでくださる読者さんたちが、そういった要素を踏まえた上でご愛読くださっていることを願うばかりですよ……!

 

第7話(中編)の作画時間

1ページあたり平均9時間17分。
扉絵 – 10時間42分(意外と時間がかからなかった)
最長 – P.02 – 12時間50分(1コマ目の床の映り込みを描き下ろしたかったが時間がなく既存の背景を利用)
最短 – P.07 – 6時間20分(何故か意外と早く終わった)

最近は平均10時間を切っています。これは決して描くのが速くなったわけではなく、本当なら1ページ15時間近くかかるところを色々急いでなんとかした結果に過ぎません。毎度ギリギリの時期に作画に入ることになってしまい、タイムアタック作画を自分に課すことになってしまっているのです。時間が少ないと「目を休ませてから見直すことでわかる違和感の修正」が出来ないので、もっとゆとりのある進行ができるようになりたいとは思っています。思っているだけでなくきちんと叶えたいですね……。

 

諸々の御礼

『神仙桃娘 宮廷の贄』第1巻が発売されて早2ヶ月。
面白い・はまったというご感想や、扎熱&子晶が好きだというメッセージを国内外より頂戴し、たいへん有難く思っております! ありがとう! ありがとう!

この世のどこかに存在するであろう私と好みが合う読者さんたちに見付けてもらえたらいいな~と願いながら描いているので、実際に読者さんから「好き」と言っていただけるのは本当に心から嬉しいことです。漫画の面白さって読者に見出してもらってはじめてこの世に爆誕すると私は思っているので…見出してくれてマジでありがとう……!
国外では主に中華圏の読者さんから応援していただいており、ファンタジーとはいえ日本人の私が描いた中華系の漫画を楽しんでいただけることに吃驚&感激しております。
単行本の続きが読みたくて掲載誌Asukaまで追うようになってくださったという方々へも大感謝です。作品に夢中になっていただけることも嬉しいし、お世話になっている雑誌に貢献できることも嬉しい!

神仙桃娘について「面白い/好き」とSNS投稿してくださる方々にも心より感謝! おそらく読者の方々が想像もしていないレベルで、作者にとっては心底有難いことです。誰かが作品を話題にしてくださると新たな読者さんが増えるきっかけになるので、今後も是非、お気軽に何卒!

そして6月の原画展に来てくださった方々や、関係者の皆さまにも心より御礼申し上げます。土曜には上京してライブペインティングさせていただき、ついでに日曜には午後から在廊し、ご来場くださった方々にご挨拶することもできました。これまでにやりとりしたことのあるX(旧Twitter)のフォロワーさんともお話できて、「読者って実在するんだ……」と思いました。笑
滅多にない機会なので、とても良い思い出になりました✨
意外と男性の来場者も多かったと聞いております。『神仙桃娘 宮廷の贄』は主に女性読者を想定した作品ではありますが、男性読者さんの目に扎熱が魅力的に見えてほしいな(白太子の目線で見てくれ!) と念じながら描いているので、可愛い・色っぽいと感じていただけておりましたら幸いです。