神仙桃娘 第5話「期待」

毎夜、白太子・子晶(ズーヂン)と穏やかな時間を過ごす扎熱(ザラ)。
しかし国慶節の式典準備を進める中で問題が起き――

『神仙桃娘 宮廷の贄』 第5話 扉絵

『神仙桃娘 宮廷の贄』
第5話「期待」全56P
ASUKA 2025年3月号(2025年1月24日発売)に掲載

新年の初回に相応しく景気よく大ボリュームでお届けします(ほぼ2話分!)
表現したいものをギュッと詰め込みつつ、読んでいただきやすいよう随所に砂糖をまぶして美味しく整えたらこのようなボリュームになってしまいました。ほら、子供のとき、苦いお薬をジャムに混ぜて飲んだりしたじゃないですか。あの感じです。一体なんの話だと思われるかもしれませんが、内容を読めばおわかりいただけるはず。桃ジャムを喰らえ。

ページ数的にも内容的にも、濃密で読み応えのある回となっております。ご堪能ください。

ちなみに今回の扉絵は本編冒頭のワンシーン。子晶と二胡を弾く扎熱。
描いておいてなんですが、そもそも楽器を弾くには扎熱の爪は長過ぎますよね。しかし桃娘の本分は他のところにありますし、きっと魅惑的な容姿をキープすることの方が優先度が高く、周囲もそれを踏まえて接しているのでしょう。

胡蝶(フーディエ)と美欣(メイシン)

今回から他宮の桃娘ズも関わってきます。清楚で大人しい扎熱とは違ったタイプの美女たち。果たして扎熱にどう関わってくるのでしょうか。

そして扎熱と子晶の桃色展開はあるのでしょうか。

 

掲載誌ASUKAの表紙・背表紙

バレンタイン風の扎熱と子晶
指ハートする扎熱

今回はじめてASUKAの表紙と背表紙を描かせていただきました! 嬉しい!
現代風ファッションでおめかしした扎熱と子晶を描くの、すごく楽しかった~! また描きたい!
寒い冬をあたためてくれそうなサーモンピンクの背景に、落ち着いたゴールドの雑誌名が目印となっております。本屋さんで目に留めてくださる方がひとりでも多くいればいいなあ。

これらのカラーイラストのラフ画などは後日、別の記事でご紹介したいと思います。イラストのテーマ的にバレンタインまでにはまとめたいところです。

 

第5話の作画時間

1ページあたり平均10時間2分。
扉絵 – 9時間0分(時間外でちょっと修正もしました)
最長 – P.22 – 15時間34分(美欣と胡蝶のシーン。描き慣れず苦戦)
最短 – P.30 – 6時間15分(雨の情景自体が魅せ場の大ゴマ。意外にも最短)

前回とほぼ同じペースですね。しかしページ数が多かったため、かなり早い段階から人間らしい生活を放棄して死に物狂いで描きました。それでもなかなか終わらず、最後の方はラフのまま掲載することになるかもしれない…と腹をくくっていたくらいです。完成を待ってくださった関係者様方には頭が上がりません。多謝。

作画時間最短のP.30には、雨の情景を描いた大ゴマがあります。描くのが楽しみでもあり、イメージ通りに描けるか不安でもあったシーンです。正確さよりイメージ優先! 印象派、印象派! と心の中で唱えながら描きました。今の画力で描ける精一杯のものを描いたので、仕上がりには納得しています。

雨を描くのは好きです。雨そのものというより、キャラクターが感じている雨天の気温や湿度、濡れた服の不快感や、冷えた体の奥底に潜むぬくもりなど、様々な感覚が普段より際立ってくる気がして、それが好き。
本作の第3話でも軽く雨を降らせましたし、前作『ハデスさまの無慈悲な婚姻』終盤では豪雨のシチュエーションを描きました。あの時は2年ほど脳内で温めていたシーンなので描き甲斐もひとしおで、筆が乗りに乗りまくったなあ……。

その他にも第5話では構図やカメラアングルであれこれ遊びました。いや、いつも遊んでいるか。今回はページ数が多いから殊更そう思うだけなのかもしれない。
技術が及ばないところもありますが、良い案を思いつくと下手でもいいから描きたい! と挑戦してしまいます。キャラの心情を一番よく表現できる構図がそれなのだとしたら、それ以下の表現に逃げるのは嫌ですし。扎熱や子晶の心情が読者さんに伝わるといいなあと思いながらいつも描いています。それにしても描けば描くほど、この子たち愛おしいなあと思う……。これからも描いていくのが楽しみです。

ちなみに、『神仙桃娘~』はこの第5話までが単行本第1巻に収録される予定です。単行本作業やスケジュール調整の都合上、発売までは少しお時間をいただきますが、情報は随時お知らせしていきますので楽しみにお待ちいただけますと幸いです!

Asuka (あすか) 2025年 3月号 [雑誌]